squall
15
まるで、意識を失ったかのように、身体中、ふわふわしてるのに。

頭も真っ白になってしまったはずなのに。

感覚だけは、妙に冴えていて。

…むしろ。
感覚だけのために、すべてがふわふわとしていたのかもしれない。


“――――――”


唇に、伝わる体温。
やわらかい感覚。
頬を包む、大きな手…。


ありとあらゆる感覚が。
そこだけに、集中していた。


長い、長い、キス……。


“―――――――”


それは、何だったんだろう。

今、ここにある想い?
それとも、追憶…?

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