squall
でも。
佐野は私を覚えてて。
こうして今、私を抱きしめてる。

キスをした、後に…。


「…あの時……」
「ん…?」
「もし、私が逃げ出さなかったら。佐野、どうしてた…?」


その後で。
その質問は、ちょっと唐突だったかもしれない。

でも。
ふと、さっきの佐野の言葉を思い出して。

佐野も覚えていた。
あの、キス…。


「…多分」
「ん…」


その、唐突な質問に。
戸惑ってる感じはなかったけど、


「多分……」


少し。
迷ってる感じがして…。

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