squall
でも。


「卒業してから、カノジョも出来たし。もちろん、ちゃんと好きになって。でも、どこかにいつも、廣橋がいて。時々、思い出してる俺がいた。気づけば、廣橋を探してもいた」


そんな私に、佐野は更に続けて。


「で…。ほんとに、廣橋をみつけた」
「…えっ…?」
「もう、1年くらい前かな…。何度か、すれ違った」


苦笑した。


「……うそ……」


すれ違った…!?


1年くらい前。
私は必死で、記憶を手繰り寄せる。

街中。
何度かすれ違っていたなら、私も必ず気づくはずで。

佐野だと、確信まではいかなくても。


―佐野、かも…


似てる、くらいは思うはずで。
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