squall
「でも。同じクラスになれなかったし、結局、接点もないまま卒業しちゃったし…。私も同じ。告白してもダメだろうって。卒業式の日、告白しなかった…」


それでも。
私は、佐野が同じ気持ちだったことがわかったからか。
ずっとしまい込んでた。
ずっと胸の奥底にあった気持ちが次から次と出てきて。


「あのキスも。私だけがキスだって思い込んでるだけだって…。佐野にとっては、そうじゃないって思ってた。私のひとりよがりだって」
「廣橋……」
「誰とつき合っても、私の中には佐野がいて。私も、どこかずっと。佐野を忘れられずにいた。なんでこんなにずっと、って。苦しかったりもした…」


すべて。
佐野に伝えよう、思った。

伝えるべきだって…。

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