squall
でも。

どうしても、会いたくて…。

こんなに、会いたい、思ったのは、どれくらい振りだろう…?


―どきん、どきん…


鍵を持つ手も、少し震えて…。

一瞬、躊躇った。

合鍵はまだ、私の手にあるけど。
私はもう。


―カノジョじゃない…


「……………」


そう思うと。
やっぱりこんなふうに、


―部屋に入るのは…


違う気がして。


―出直そう…


でも、私は、鍵をポストには入れられず。
カバンにしまった。

その時。

< 266 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop