squall
でも。


―佐野を忘れたい


思ってたのもホント。

忘れたい、っていうか、佐野への恋愛感情をなくしたい、が、正確な答えかもしれない。

高校は楽しかったし、友達もすぐに出来て。
男友達も。

ちょっと気になった人もいたりはしたけど、好きまではいかなくて。


「廣橋、カレシできたって?」
「情報はやっ」
「アイツ同中だったからな。お前のことも何気に聞かれてたし」
「そうなの?」
「いいヤツだから。大事にしてやって」
「や。それ言うなら大事にしてもらえ、でしょ」


この男友達も。


「あぁ、そっか」
「そうだよ」


実は、ちょっと気になった相手だったりもして…。


「でも。マジでいいヤツだから」


そう言われても。


「りょーかい」


ショックはなかった。


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