squall
「っていうか。未だに佐野の夢みてる萌もね」


昼休み。


紹介のことを報告しがてら。
ちょっと昔の恋バナをしていた所。


「不思議」
「……………」


佳世に痛いところをつかれて。


「やっぱあの時。告っとけばよかったんだって」
「あの時って…?」
「卒業式」
「…あぁ…」
「終わらせてない恋は。引きずるからね~」
「って言われても…」


まぁ、所詮。


「今さら、でしょ…」


って感じで。

もちろん。
接点というものが、全くなかった私と佐野。

今どこでどうしてるのかなんて、分かるわけもなく。

「今さら、ねぇ~…」


何やら。
意味ありげに佳世は呟いて。


「…なに?」
「まぁ、確かに今さらだけど。探せないこともないかなぁって」
「えっ…?」
「あっ。今ちょっと、気持ち揺らいだでしょ」
「はっ!?」


これまた意味ありげに、ニヤリと笑った。


< 33 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop