squall
惣一のことがちゃんと見えてなかったのは。
私の気持ちは、軽くなんてなってなかったから。


「オヤジでけっこう。と言うわけで。最後の1個。生い先短いオヤジがいただきます」
「えっ?ウソ!あ~!」


佐野の夢は、確かに見てなかったけど。
不自然に、ムダに明るくすることで。


―終わった


思いたかっただけで…。


いつでも。
目に見えてることだけが、真実なら良かったのに…。


「信じらんないっ!」
「食べ物の恨みは恐ろしい、ってやつ?」
「そうだよ~」
「たまにはいいじゃん。オヤジに優しさくれよ~」
「…もしかして。今の根に持ってる…?」
「別に~」


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