squall
心地いい風が惣一の前髪を揺らして。
私の頬を、やさしくなでる。

惣一の手は、大きくて温かくて。
ここが私の居場所なんだなぁって。


「で」
「ん?」
「いつにしよっか」
「佳世ちゃん?」
「うん」


自然と頬がゆるむ。
佐野を気にしてたことが、バカらしくなる。
何であんなに、気にする必要があったんだろうって。


「後輩クン、なんて?」


でも…。


「あぁ。佐野?」
「……………えっ…?」


私の心臓が。


―ドクン……ッ


大きく反応した。


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