squall
――佐野


「…さの…?」


たった今。
バカらしい、思ったばかりなのに。

いとも簡単に、反応する私の心臓。


「さの…って…?」


まさか惣一が、知ってるわけないし、知り合いなわけもない。

わかってるはずなのに。


―もしかして…


どこかで感じてる私がいて。


―ドキン、ドキン…


緊張…、不安?
フワフワした感覚が、鼓動と共に、全身に広がっていく。

惣一の、1コ下。
年だって、違うのに…。


< 69 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop