squall
だから。
ほんと、ものすごくタイプだったんだけど。

私は、


―好きになるもんか!


…と。


―絶対、好きにならない


自分にブレーキをかけた。

まぁ、どうせそんなことしなくても。
もう会うこともないだろうし、と、そんなに強く警戒もしてなかったんだけど。

だけど…。

意識してない相手に限って、なのか…。


「はい。○○課、廣橋(ヒロハシ)でございます」
『もしもし?○○商事の望月と申しますが』


やたらと電話を取ったり。


「あっ、廣橋くん。悪い。また頼まれてくれ」


1度届けてるから…という名目で。


「こちらがお約束してた書類になります」
「ありがとうございます。確かに」


また書類を届けさせられたり…。


「いつも廣橋さんですね」
「あ、はい。以前にも届けてるからと…」
「そうなんですね。電話もよく」
「そう、ですね。他にも女子社員、数名いるんですけど…」
「じゃあ、ほんとに偶然なんですね」
「はい…」


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