squall
もちろん、一緒にいたかったし、


『一緒に住もう』


言われたら、断りはしなかったと思う。

けど。

惣一は、一緒に住もうとは言わなかったし。
逆に、


「えっ…?」
「ほんとは一緒にいたいけどな」


私が親元にいたせいもあるのか。


「結婚するまで、我慢するし」
「…ん…」


このまま実家に…、言われてしまった。

私の性格を察して…言うより、私の両親のことを気遣って、の、惣一の優しさだったんだろう。

惣一は、ほんとに優しいから…。


「ありがと。惣一」


ちょっとがっかり、な気持ちもあったりしたけど。
私は素直に、頷いた。


< 76 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop