squall
運命は、引き寄せるもの…なんて言うけど。

これも。
私が自分で、引き寄せてしまったのか…。

もし、佐野を探す、なんてしなければ。
佐野サンと佐野が兄弟だからといって。

私はあんなふうに、動揺することも。
なかったんだろうか…。


「じゃあ、今日は佳世と帰るね」
「望月サン、佐野サン、ごちそうさまでした」
「明日仕事じゃなければ、カラオケでも行きたかったんだけど」
「気をつけてな。じゃあ、佳世ちゃん。萌よろしく」
「はい。行こうか、萌」
「ん」


平日ということもあって。
いつもよりも早めに切り上げて。


「それじゃあ、佐野サン。惣一も」


その日、自宅に戻ってしまったけど。


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