squall
「正直。かなりびっくりした」


私はホンネを口にした。


「っていうか。頭、真っ白、って感じだったかな」


周りの声どころか。
惣一の声すら聴こえてなかった状態。


「ん。それはかなり、わかったんだけど…」
「だよね」


私は苦笑いする。


「なんで、そんな急に?」
「ん?」
「佐野のこと」


きっと。
ほんの1時間程度しかない昼休みなんかにする話題ではないんだろうけど。


「急に夢みて、とか。望月サンとなんかあったとか?」
「惣一と?ないよ。順調そのもの」


結婚が決まってる私を、心配して、なんだろう。


「まぁ、佐野サンのことは、私もかなりびっくりしたから、仕方ないかなとか思うけど。ちょっと。尋常じゃないくらい、動揺してたよね」
「…そう、かも…」
「かもじゃないし」
「……そう、だね…」


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