甘い罠
津崎 碧
着信画面に映し出された表示に、瑠璃は一瞬躊躇した
これまで、他愛のないメールのやりとりはしたこともあったけれど、碧から直接電話がかかってきたことはないに等しい
「うん、久しぶり。ダーツバーで飲んだ以来だね」
この電話の3ヶ月ほど前、碧も含めた仲良しグループで、ダーツバーに行っていた
何の話だろう?
不思議に思いながらも、瑠璃は平静を装い話した
「瑠璃ってばダーツ結構上手いんだもん、私びっくりしちゃったぁ。
やったことあったの?」
碧は妙にテンションが高い
ダーツをやったことがあるのか?なんて、そんなことに碧が興味があるわけがない
「え~全然上手くなんかなかったじゃん
碧の方が上手かったよ」
お互い興味のない会話をしばらくしていた
実際、ダーツも碧の方が断然上手かった
碧はいつもこうなのだ
洋服にしろ、持っているバッグ、靴、髪型
いつだって碧の方がお洒落で可愛いくて、私達を上回っていた
それなのに、あえて謙遜して相手を持ち上げる
自分が一番だということを自覚しているからこそ、相手を褒める余裕があるのだ
着信画面に映し出された表示に、瑠璃は一瞬躊躇した
これまで、他愛のないメールのやりとりはしたこともあったけれど、碧から直接電話がかかってきたことはないに等しい
「うん、久しぶり。ダーツバーで飲んだ以来だね」
この電話の3ヶ月ほど前、碧も含めた仲良しグループで、ダーツバーに行っていた
何の話だろう?
不思議に思いながらも、瑠璃は平静を装い話した
「瑠璃ってばダーツ結構上手いんだもん、私びっくりしちゃったぁ。
やったことあったの?」
碧は妙にテンションが高い
ダーツをやったことがあるのか?なんて、そんなことに碧が興味があるわけがない
「え~全然上手くなんかなかったじゃん
碧の方が上手かったよ」
お互い興味のない会話をしばらくしていた
実際、ダーツも碧の方が断然上手かった
碧はいつもこうなのだ
洋服にしろ、持っているバッグ、靴、髪型
いつだって碧の方がお洒落で可愛いくて、私達を上回っていた
それなのに、あえて謙遜して相手を持ち上げる
自分が一番だということを自覚しているからこそ、相手を褒める余裕があるのだ