甘い罠
翌日
木村は11時に迎えに来ることになっていた

瑠璃は8時には起床し、その日は朝の一服も我慢した
匂いがしたら大変だと思ったのだ

シャワーを浴び、丁寧に体を洗う
何があるわけもないが、下着も買い置きしてあった新しいものを身につけた


一応、碧に報告しようかとチラッと考えたがやめた



木村は11時10分前には到着した

車内は、シトラス系の爽やかな匂いがした

この助手席に、今まで何人の女が乗ったんだろう?と、チラリと考える


「急に誘って迷惑じゃなかったかな?」

木村はいい男なのに謙虚だ
そういう所も瑠璃の胸をときめかせた
話題も豊富で、車内で瑠璃を退屈させることもなかった

本当に彼女らしい人いないんだろうか?
たまたま紹介してもらった相手が、こんなにもいい人で、自分がすごくツイていたのだと、今更ながら瑠璃は幸運に思った


40分ほど車を走らせ、2人は昼食を取ることにした

有料の駐車場に車を止め、繁華街へと入った


「うまい中華屋さんがあるんだ」

何度か足を運んだことがあるらしいその中華料理店は、円卓もあり高級感があるが、ランチの値段はお手頃のいい店だった













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