甘い罠
瑠璃は困惑していた

唐突な木村の告白に、何と答えていいか分からなかった



ふと、木村はハッとしたような顔をした

「ごめん、俺何言ってんだろうな」と苦笑する

瑠璃は引きつった笑みを浮かべ、首を振った

「本当ごめん
飯食ってる時に…

頭打ってちょっとおかしくなったかな(笑)」

そう言うと、瑠璃がよそった八宝菜に箸をつけた

あの事故のことで、木村は何か悩んでいるように瑠璃には見えた



突き飛ばされた
と、確かに木村は言った

誰かがいた
とも…



「瑠璃ちゃん本当にごめんな

こんな話するつもりなかったんだけど

あ、なんか他にも頼もうか」

そう言って木村はメニューに手を伸ばす


「木村さん、何か気になってることあるんじゃないですか?

私、こないだからちょっと思ってはいたんです…

あの話すると、思い詰めたようになるし…


あ、私で良ければ言って下さい
ほら、私は同じ会社じゃないし、何にも知らないから逆に話せるってことあるじゃないですか

もちろん、絶対に碧にも言いません
約束します」

瑠璃も知りたかった

木村のさっきの言葉の真意を



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