二秒で恋して
必要最小限の家具しか置いてない一真の部屋。
さっきまでテレビがどうでもいい深夜番組を流していたその空間で、一真はソファに座っていた。
間接照明に照らされて、ワイングラスなんか片手にしている横顔は、さっきまでの飄々とした笑顔とは違う。
意外と夜景が綺麗な窓ガラスの向こうを、静かに眺めている一真の瞳。
まだ眼鏡の奥に収まっているというのに、切れ長の瞳がこちらを向いた途端、思わず胸が高鳴る。
「ね、寝ないの?」
なんでこんなにあせってしまうんだろう。
こうして二人で過ごすのも、気づけばもう三ヶ月を越した。彼の部屋で朝を迎えたことも、数え切れないほどあるというのに。
私の問いに、飲み干したグラスを静かに置いた一真は振り返る。
「寝るよ」
たった一言。それだけなのに、私はその場から動けなくなった。
彼の眼鏡が、軽い音をたててテーブルに置かれる。そして見上げられた瞬間に、私はまた囚われた。
「おいで、ミズキ」
少し微笑んで伸ばされた大きな手を、戸惑いながら取る。
そしていざなわれるのは、彼の寝室。
昼間とまるで逆転したかのように、彼は余裕たっぷりで、私はそんな瞳に逆らえなくなる。
二秒で恋した、その瞳に――。
さっきまでテレビがどうでもいい深夜番組を流していたその空間で、一真はソファに座っていた。
間接照明に照らされて、ワイングラスなんか片手にしている横顔は、さっきまでの飄々とした笑顔とは違う。
意外と夜景が綺麗な窓ガラスの向こうを、静かに眺めている一真の瞳。
まだ眼鏡の奥に収まっているというのに、切れ長の瞳がこちらを向いた途端、思わず胸が高鳴る。
「ね、寝ないの?」
なんでこんなにあせってしまうんだろう。
こうして二人で過ごすのも、気づけばもう三ヶ月を越した。彼の部屋で朝を迎えたことも、数え切れないほどあるというのに。
私の問いに、飲み干したグラスを静かに置いた一真は振り返る。
「寝るよ」
たった一言。それだけなのに、私はその場から動けなくなった。
彼の眼鏡が、軽い音をたててテーブルに置かれる。そして見上げられた瞬間に、私はまた囚われた。
「おいで、ミズキ」
少し微笑んで伸ばされた大きな手を、戸惑いながら取る。
そしていざなわれるのは、彼の寝室。
昼間とまるで逆転したかのように、彼は余裕たっぷりで、私はそんな瞳に逆らえなくなる。
二秒で恋した、その瞳に――。