この窓を飛び越えて…
入学してもう半年がたった。
今までは目があうなんてこと一度もなかったのに…
二回続いて起きたこの現象。
――“偶然”だなんて、思えなかった。
奇跡のようなことだけど、ここで終わって欲しくはなかった。
時間が止まる中で、わたしの気持ちだけが動いている。
好きで好きで、仕方がないんです…。
誰にも打ち明けられない、
こんな奇跡のようなのを待っている間、胸の奥のほうでずっと高鳴っていた気持ち。
それが今、前に出てきている。
そして、これが予言にでもなるように――――
この恋は、
…………動き出す。
――――――――――――
やっと一時間目の授業が終わった。
わたしはため息をつく。
やりたいものの候補まで決まったのが奇跡だというくらい大変だったから。
「莉桜ーっ!!」
香葉が寄り添う。
きっと、わたしが実行委員になったことについてだろう。
すごく嬉しそうな顔で笑いかけてくれる。
香葉は自分のことのようにわたしを考えてくれるから。