この窓を飛び越えて…



放課後、わたしに駆け寄ったのは香葉ではなくて…
隣のクラスの友達。


「莉桜と一緒で良かった〜」

「わたしもだよ、麗奈ちゃん」


中学で同じだった近藤 麗奈 [こんどう れな]ちゃん。

名前のとおり、とても綺麗な子。

ふわふわのフェーブがかかったミディアムヘアが揺れて、わたしを見つめた。


「じゃあ行こっか」

「うん」


麗奈ちゃんの隣に並んで歩きだす。

階段を二つ分降りて着いたのは会議室。
そこには各クラスの実行委員が集まっていた。


「C組の実行委員って、莉桜と原田なんだ」

「あ、うん」

「それにしても珍しいな〜!莉桜が実行委員だなんて」

「……そうか…な」

「ずっと香葉に引っ付いてたもんね!香葉のことしか呼び捨てで呼ばないし」


言われたことは全部図星で。


やっぱりわたしがこういうのをやるということは珍しいんですね…。


世間の意見を心に刻む。


変われたら、いいのに―――



ふと頭を過ぎる考え。

積極的で、可愛くて…そんな香葉を見てそう思うことは決して初めてなんかじゃなかった。



「でもさ、いいんじゃない?」

「えっ」

「変われるよ、何かが……」




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