この窓を飛び越えて…
そういえば、同い年かも分からない。
てっきり一年生だと思っていたけどそうとは限らない。
二年生か、はたまた三年生なのか…。
「じゃあ何年生?!」
香葉の一際輝いた声に、あたしには罪悪感が重くのしかかる。
ゆっくり首を振ると、香葉は怪訝な顔つきになった。
「一年生でも二年生以上でもないの?…え、……社会人?」
「それはないよ!」
それだけはない!!
だって九雪にいるのだから、それだけは断言できる。
香葉も「だよねー」と肩の力を抜いた。
「じゃあ年下なの?中学生以下?」
その質問も左から右へ受け流すように首を振った。
もう、何も答えられない。
言えることは『九雪校の向かいの教室の窓辺の人』と容姿ぐらい。
改めて、本当に無謀な恋だと知る。
「何なの?」
香葉の苛立った声が聞こえてあたしは口を開く。
「あのね、相手が何歳か分からないの…」
「え?」
「……ごめん…」
しゅんとなるあたしに香葉は立ちあがる。
「謝ることじゃないけど…どういうこと?」
「…………」
口を閉ざしてばっかじゃ何も変わらない。
香葉には何でも話すっていつか決めた。
あたしの恋は叶わない無謀なもの。
だけど香葉は応援してくれるはず…
そんなことは分かってます。
十分承知しています。
なのに、なのに―――――
何で、言う気にならないのでしょうか…。