この窓を飛び越えて…



喉に何かが詰まってる。



―――喋りたい。喋らなきゃいけない。
気持ちは前向きなのに…

何かに負けてる。
勝てないよ…本心に、自分の心さえに――勝てない……



わたし、最悪だ―――




「莉桜」


優しい、聞き慣れた声が聞こえる。

顔をあげたわたしを見て苦笑する香葉に、ギュッと抱きしめられた。


「もう、何泣いてるのよ!」

「……っ」


目に溜まっていたのは紛れもなく涙。

香葉に言われてとめどなく溢れていくから、顔を手でふさぎ込む。


「泣くようなことじゃないでしょ?莉桜は何も悪くないんだよ?」


違う……違うよ、香葉―――



わたしの心がそう呟く。



香葉に言わなきゃいけないのに、言葉が出てこないの。

わたしが弱いからダメなんだよ?
もっと強くなれたらいいのに…



「自分から言いにくいなら、あたしが手伝うからさ」



こうやって、いつでも香葉に助けられてばっかりなの…。

何で、出来ないんだろう。

ここで出来たら変われるのに――




そしてわたしは、

ここで変われなかったことを恨むことになるんだ……。






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