この窓を飛び越えて…
あなたの声を……
*。゚+。*゚。+。あなたの声を……。+。゚*。+゚。*
――――数日後。
九雪が十雪に来る日が来た。
だからか、今日は朝から少し気分が高い。
香葉にはもう報告済み。
「莉桜おはよー!」
「おはよ、香葉」
むしろ、香葉の方がテンションが高いくらい。
「今日だね、今日だね!」
「うん…。そうだけどさ、少し落ち着いたら?」
何しろ、九雪が来るのはもちろん放課後。
あと8時間近くある。
もし香葉がこのままだったら、たぶんもたないと思う。
「いやいや、何でそんなに落ち着いてんの?!莉桜こそもっと興奮するべきでしょうが…!」
「………;」
これでもわたしは十分気持ちが高まっているんだけれども…、
香葉からしたら足元にも及ばないみたい。
九雪に言って、“窓辺の人”の名前を知れたあの日。
結局、“窓辺の人”から目を逸らした。
それでわたしの地縛も解け、終わり。
これ以降目があうことはなかった。
だけれど、まだ自分は窓を見つめてる。