この窓を飛び越えて…
真っすぐに心を貫いた。
言葉をなくして、
変わりにその言葉だけが響く。
「原田くん…?」
「斎藤悪いことしてねーだろ」
「あ……」
「だから、やめろ」
「で、でも…今ので原田くん困りましたよね?」
「は?」
「わたし、喋るのも苦手だから…」
「…………」
ほら、
やっぱり何も言えないんですよね?
黙り込むように喋らない原田くんを見てそう思う。
気分はマイナス思考だ。
「先生ー!もう俺このクラスやだーっ」
黒板の前で嘆き出したのは男子学級委員。
決まらないのが釈だったらしく、先生に文句を言っている。
「先生だって嫌だよ〜」
担任、通称千ちゃんも言う。
千田[せんだ]だから千ちゃんらしい。
わたしはそんなに馴れ馴れしくできないから千田先生だけれど。
「あれだ。先に実行委員を決めてしまおう」
「ナイスだ千ちゃん!」
―――――――
この会話がされていたときは原田くんと話していたから、わたしは知るわけもない。
原田くんと目を合わせられず俯く。
「……よし…決めた」
そんな隣から聞こえた声。
ドキリと反応して、思わず原田くんを見た。