恋愛偏差値0
お互いの空いている時間にあたしたちはちょくちょく会っていた。
大きく開いた時間があると伸の家でまったりデート。
勉強なんて二の次で、あたしたちはお互いを優先していた。
梓くんの家でまったりした時間を終わると、梓くんがあたしの家まで送ってもらう。
正確に言うとあたしの家までじゃなくて、あたしの家の近くまで。
あたしの父は、彼氏とかあたしの将来とか自分が決めないと気が済まない。
あたしは梓くんが好きなの。
ばれて反対されてめんどうをかけたくないの。
梓くんと付き合っているってこと、父には言ってない。
母には言ってあるけど。
「ここでいいよ」
「だいじょうぶ?」
「だいじょうぶだよ。もう、すぐそこだもん」
街灯の下で、あたしたちはさよならをする。