恋愛偏差値0
うそのほうがきっと多いはず。
「車に乗りなさい」
父は厳しく言う。
あたしのために従者がドアを開けた。
しぶしぶあたしは車に乗った。
梓くんは、あとからあたしが謝るわ。
だから今は。
「勉強を教えてくださって、ありがとうございました」
それだけ言って、車に乗った。
前を向いているけど、目線は梓くんと父。
いったいなにを話しているの?
「今後いっさい、私の娘に近づかないでもらおう」
「……」
梓くんを置いて車は発進した。