恋愛偏差値0
『昨日、綾香の父さんに言われて、綾香が気になって』
「ぜんぜん、だいじょうぶよ?慣れてるから」
おみあい相手を決めさせられる、とか言えない。
『そ?』
「…梓くんがいるもん。だいじょうぶ」
梓くんの声を聞けるだけでそれだけで、元気がでるの。
『俺んちに来ない?』
「そうね。勉強という口実の…」
『じゃなくて』
言葉をさえぎられた。
『プチ家出…とか』
プチ家出?
きょとんとあたしは目を丸くする。
『ええと、むりだよな。うん。わかってる』