恋愛偏差値0
「うちの伸も、柚菜ちゃんと結婚するんですよ」
「柚菜ちゃん…とは、どこのご令嬢ですかな。伸くんだったら、きっといい相手と結婚なさるでしょうな」
お父さまはにっこり。
父もさっきの顔とまったく違う商売の顔になっていた。
「柚菜ちゃんはいい子ですよ。伸も幸せなようで」
「失礼ですが、どこのご令嬢ですか」
「ご令嬢?そんなもの柚菜ちゃんにはありませんよ」
「…は」
父は信じられないという顔。
「時期社長の伸くんの結婚相手がその柚菜ちゃん…」
「ええ。そうですよ。やっぱり、幸せになれる相手がいいとわたしも考えを改めたので」
前は政略結婚だと伸は言っていた。
でも、将来の道も自分でちゃんと決められるんだって喜んでいた。
柚菜ちゃんと堂々と付き合えるんだって。
大好きなサッカーを続けれるんだって。
「いいじゃありませんか?会社なんて。親はやっぱり、子供の幸せが1番ですよ」