恋愛偏差値0
それから、ため息をついてあたしを見て。
しかたないというそんな顔。
でもどこか笑顔。
「幸せになれるのか?」
「はい…」
父の目にあたしが写っている。
いつもとは違う、優しい瞳であたしを見る。
始めての父の顔。
「綾香さんは、ぜったい幸せにします!!」
梓くんが真剣な瞳で言った。
お父さん…この梓くんの瞳に、うそはないから。
「じゃ、お見合いはなかったってことで」
お父さまが1番言ってほしいことを言ってくれた。