恋愛偏差値0
お見合いをしなくてもいいんだ。
梓くんと、幸せになれるんだ。
「でも…藍川梓のことはまだ認めてない」
そう言った父の瞳に、幸せも含まれてるって気づいた。
父の瞳は冷たい目。
でも裏を返せば、あたしが幸せになるようにと厳しくする威厳のある父の瞳。
気づかなかったの。
気づけなかったの。
「綾香さん、もう行っていいですって」
お父さまはあたしにGOサインを出す。
あたしは梓くんの腕をつかんで、走り出す。
梓くんをあたしが引っ張り、レストランの外に出た。
「きゃっ…」
車が、つっこんでくる。