恋愛偏差値0
冷たい手はあたしの浴衣の中で動いている。
「……下がった?」
「っ……、さっ、下がるわけないでしょ!!」
目までもが熱を帯びる。
顔も体も、すべてが熱い。
「だよなぁww」
伸はクスクス笑って、もとの位置に寝転がった。
「おかげで俺はあったけーや」
「んもう…」
顔をふくらまして、向かい合ってた伸との体の向きを変えた。
赤い顔を見られたくなくて、ますますひどくなったような熱っぽさを見せたくなくて。
「おいー。柚菜っ」
「………いたっ」
腕まくらがはずされて、あたしの頭が落ちた。
ふとんから体を起こして、どこかに行ってしまう。
「え…っ?」
怒ってしまったのかと、あたしは不安になる。
あたしも起き上がって、伸の後ろをついていった。