永遠の花ことば*完結*
---8年前---
フィルミスク王国城内にはシルクのお付きの女の声が響いていた。
「シルク姫様!?どこですか!?おけいこの時間ですよ!!」
バタバタと荒い足音をたてながら、シルクを探していた。
一方シルクは廊下の物陰に隠れ、腹を立てていた。
「おかあさまもおとうさまも、わたしが6歳になってから急にきびしくなったわ!」
シルクは今までしっかりと勉強やおけいこ事をこなしていた。
しかし6歳になると同時に、その数がドンと増えたのだ。
そして、両親とお話し、遊べる時間が減った。
幼いシルクにとってはそれが一番つらかった。
母ミイクは、シルクがおけいこ事を終える度に優しく頭をなでてくれた。
一緒に昼寝だってした。
父ラグルは、国王の仕事で忙しいのにもかかわらず、
時間があけばシルクと城の庭を走り回って一緒に遊んでくれた。
シルクにとっては両親といるのが一番の幸せだった。
「もう!どうしてわたしがおけいこなんかしなくちゃいけないのよ!」
そう言ってシルクは泣きそうになった。
勉強がしたくてしているわけではない。
パーティーでの作法を知りたくて学んでいるわけではない。
「なりたくて姫になったわけじゃないわ!!」
そういってシルクは物陰から立ち上がった。