永遠の花ことば*完結*
王子様の求婚
時が過ぎるのは早いもので、シルクが王になってから約1年がすぎていた。
後1ヶ月後にはシルクの16の誕生日だ。
「お兄様!今日こそばっちり言ってくるのよ!」
グーワナ王国の第二王子、アスリは妹姫のユンリに背中を押されていた。
「それと、お兄様、お話があるの。
お時間いいかしら?」
ひとつ前の台詞とは打って変わって、
真剣な顔つきになったユンリ。
ガッツを入れようと握りしめた手のひらを開き、
アスリはユンリを見て首を傾けた。
「前に言った、リヴさんと恋仲だという話、
あれ、本当は嘘なの。
シルク様に言っちゃったわよね?」
その事実にアスリは驚いた。
しかしそれを嘘だった、と、
シルクに言わないほうが今のシルクのためなのではないか。
アスリはそう思ってしまった。