永遠の花ことば*完結*



「お兄様には、今日ここへ来たことを言ってないの。

話はすぐに終わるから!お願いっ!」



ユンリは顔の前で手を合わせてそう言った。


するとすぐに終わるなら、と言うようにシルクはうなずいた。

そして2人はシルクの部屋に入ると、

短い沈黙となった。



ユンリは短く息をつくと、



「半年ほど前に、お兄様にリヴさんの事、聞いたわよね?」



シルクはその言葉で自分の心臓がドクンと大きく動くのを感じた。

会えなくなって1年。

シルクはリヴの事を少しずつ忘れようと努力してきた。


しかしまだ夢に見てしまうのだ。


けれど目の前にいる人はリヴの今の恋人。

ただの自分の隠れた横恋慕だと思うと悲しくなった。



「そうね、聞いたわ。今はユンリと、って。」



シルクはこの1年でできるようになったことがある。


それは、感情を表に出さないことだ。

そうすれば人に感情を悟られず、

自分の心を隠すことができる。






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