永遠の花ことば*完結*



自分の心の中にある弱さを、

シルクはこの1年隠し続けてきた。



人は、自分の弱さをときには吐きださないと生きていけない。

心の中を闇だけにしてしまったら、光が差さなくなってしまう。


シルクの心はもう壊れそうなところまで来ていた。



「ごめんなさいっ!!

あれ、嘘なの…!」



ユンリはガバっと頭を下げて言った。

そして目に涙を浮かべると、シルクの手を握った。



「私は、本気でリヴさんが好きだわ。」



ユンリは目をつむり、シルクの手を両手で握りしめて言った。


その言葉にシルクはただ辛い笑みを浮かべて、

コクコクとうなずくことしかできなかった。



「でも、私、リヴさんと少しの時間過ごしただけでもわかったわ。」



ユンリは目に溜まっていた涙を一筋流した。


シルクは空いている方の手でハンカチをポケットから取り出すと、

そっとユンリの頬にあてた。


自分がすることのできなかった夢を、

リヴにはかなえてほしい。


好きな人と、ただ純粋に幸せになってほしいといつも願っていた。






< 106 / 180 >

この作品をシェア

pagetop