永遠の花ことば*完結*



シルクは国のためにすべてを尽くす。

それが自分にとっての幸せだ、と。


王になったあの日、心に決めた。



「リヴさんは、まだ貴女の事が好きだわ。

私じゃ、できなかった。

シルク様の分、リヴさんの心にぽっかりと穴があいてしまった分、

埋めることができなかった。」



ユンリはシルクの瞳をまっすぐに見て言った。

シルクはその目を、いつかのアスリに似ていると思った。



「それでも、私はリヴと幸せになることはできない…」



シルクが涙を流しながらそう言うと、

ユンリの表情はキッと鋭いものに変わった。



そして大きく息を吸うと、

シルクの頬を叩いた。



「どうして貴女はそうやって…!!

リヴさんがどんな想いで、この1年間、過ごしてきたと…!!」



ユンリはシルクの手をぎゅっと握った。

だがシルクの指に力は入らず、

その瞳はただ遠くを見ているようだった。






< 107 / 180 >

この作品をシェア

pagetop