永遠の花ことば*完結*
叩かれた頬を痛がることもなく、
ただシルクは涙を流していた。
「あの人は、毎日夜になると一人でフィルミスクの方方角の星空を眺めているんです!
いつかシルクと見たから、って!!」
シルクはその言葉に目を見開くと、
それだけでもう充分だ、というほど幸せな気分になれた。
夜に星空を眺めていたのは、
自分だけじゃなかった。
リヴも同じように、自分の事を想っていてくれていた、と。
そう考えるだけで幸せになれた。
「私では、貴女の代わりにはなれなかったんです…、
ただ、これだけは伝えておきたくて。
シルク様がお兄様と御結婚なさるなら私は祝福いたします。
けれど、まだリヴさんの事が好きなら、
私の大切なリヴさんを想いながら、
私の大切なお兄様と結婚しないでほしいんです。」
まっすぐな、大きな瞳から涙をあふれさせながらユンリはそう告げた。
一方シルクも涙が止まらなかった。
なぜ自分はこんなにも辛い思いをしなければいけないのか。
シルクはこの時もまた、強く思った。
普通の女の子になれれば、リヴと幸せになれたのに。
何度も何度も考えたことだった。