永遠の花ことば*完結*
シルクは赤くなった顔をばしゃばしゃと洗い、
優しくタオルで押さえた後、急いでアスリのもとへ向かった。
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エマにアスリの居場所を聞き、庭へと走ると、
そこにはテーブルに突っ伏して居眠りをしているアスリがいた。
シルクは少し安心したようにほっと息をつくと、
アスリの正面に向かって規則正しい寝息を立てるアスリを眺めた。
この場所は、最後にリヴにあった場所。
そして最後にリヴと口づけを交わした場所。
永遠の愛を交わし、涙を流し別れを交わした場所。
先ほどのユンリの言葉、
そして楽しかったあの日々を思い出し、
シルクはじわりと目頭が熱くなるのを感じた。
しかし目の前にはアスリ。
彼がシルクの理性をどうにか保たせた。
アスリの頭がごろんと動き、寝顔が見える状態になると、
シルクはアスリの寝顔を見て微笑んだ。
そして、最近自分が心から笑っていないことに気がついた。
あの頃は、リヴがいたから、と。
そう考えて、ブンブンと頭を振る。
過去の事はもう振り返らない、そう決めたんだ。
一人でいるといろいろと考えてしまう。
シルクは早くアスリが起きないかと思いながらも、
アスリを起こすことはしなかった。