永遠の花ことば*完結*
城の窓から城下町を見下ろすと、親と笑い合っている子供がたくさんいた。
どうして自分だけが、という気持ちが強くなり、
そしてシルクは城を飛び出した。
ただ嫌で嫌で、お城から逃げ出したかった。
ひたすら走って、走って、走った。
息が切れて、胸が苦しくなってもシルクは走った。
体力が限界になり、走るペースが落ちた。
走り続けることが辛くなり、歩いた。
それでもシルクは城から反対方向に向かい続けた。
シルクの豪奢なドレスに驚き、振り返る者もいた。
しかしシルクは歩き続けた。
そして、日が西に傾きだして、空が赤く染まりだしたころ、
シルクはきれいな丘に立っていた。
向こうのほうに見たこともない花の列が続いていた。
「『こっきょう』だ…」
シルクはグーワナ王国との国境まで来ていた。