永遠の花ことば*完結*
「俺、結婚してから、あいつを忘れることもできると思うんだ。」
アスリは自分を弱く抱きしめる少女の背中に手をまわし、
小さな声で呟いた。
シルクはアスリを利用することなんてしない。
できない。
しかしアスリの言葉はシルクのとがった心を丸めてくれるように優しく、
そしてアスリ本人を傷つけるものだった。
そんな諸刃の剣は、シルクの心をも痛めた。
「そんな、事、言わないで…っ」
シルクはアスリの肩に顔を埋めて言った。
抱きしめられる体温が心地よくて、
このまま心も抱きしめられれば、
自分は幸せになれるんではないか。
シルクの頭にそんな考えがよぎった。
しかしとたんに、ユンリの言葉を思い出す。
何度も何度も、同じことを考え、
そして甘い言葉に溺れてしまいそうになる。
しかしやはり思いだすのは、
リヴの笑顔だった。