永遠の花ことば*完結*
外は暗くなり、
星が顔を出した。
月明かりの強い日だった。
皆が寝静まった後、
シルクはこっそりと部屋を抜け出した。
昔、『姫』というものに縛られるのが嫌で、
ドレスではなくもっと楽な服装を好んだシルク。
わがままを言い、特に何もない日は城下の子供たちと変わらない服を着ていた。
しかし王になってからは飾りのついた重い服しか着ていなかった。
久しぶりに軽い身になり、姫のころ着ていた服に袖を通した。
そしていつもしていたように、
シルクは国境へ向かった。
音の目立つ馬にまたがることはせず、
あの幼い日のように、
自分の足で地面を蹴りつけた。