永遠の花ことば*完結*
シルクは自分の足元に一輪の花が咲いていることに気付いた。
その花は、グーワナとの国境の目印になる花だった。
フィルミスク王国の人はほとんどがその花の名前を知らない。
シルクもその花の名前を知らなかった。
そしてシルクはその花にもう一歩近づこうとした。
と、ずっと走り続け、歩き続けた脚を急に止めていたせいもあり、
シルクはその場でふらつき、倒れそうになった。
しかし足元には一輪の花。
それをよけるためにシルクは横向きに倒れた。
体に強い衝撃が走った。
「痛ったぁ~……く、ない!?」
シルクは自分が倒れたにも関わらず、体に大した痛みがなくて驚いた。
が、しかし。
「おい。」
と、声がして自分の下を見ると、寝起きのような少年が自分を睨みつけていた。
へっ、とシルクが間抜けな声を出したと同時に、
自分と同じ年くらいの少年は起き上がっていた。
そのせいでシルクは上からおとされ、地面に倒れこんだ。