永遠の花ことば*完結*
金色の薄い光が柔らかく降り注ぐ中、
一人の少女はぼそりと呟いた。
「これで、最後ね。」
そして別れを言う前に、
少女は草の上に寝転んだ。
空を見上げれば、いつかの日と同じくらいの満天の星空。
あの日と同じように、月は綺麗な満月だった。
この場所ですべてが始まった。
鎖に縛られ、必死で逃げた6歳の日。
父親を亡くし、涙を枯らした11歳の日。
母親を亡くし、笑顔を失くした12歳の日。
想いが叶わないと知った14歳の日。
いつでもシルクの顔を笑顔にしたのはリヴだった。
見た人誰もを笑顔にするから笑顔の花。
それならばシルクにとってリヴは笑顔の花だ。
もしあの日、彼と出会わなければ。
笑顔を失くしたまま、
周りの言うようにアスリと結婚し、
今よりも穏やかな生活をできていたかもしれない。
涙はいつでもあふれてくる。
涙が枯れることはあるのだろうか。
そう思い、一人でシルクは涙を流していた。