永遠の花ことば*完結*
「どうぞ、」
そうニコリとほほ笑みかけ、紅茶を持ってきた宮女。
ふわりと紅茶の香りがすると、
アスリの緊張が高まった。
「いただきます」
シルクはそう言ってカップを手に取った。
そして少し熱いお茶を口に含むと、
小さな音を立ててお茶をのみこんだ。
そんな小さな音さえ、大きく聞こえるほどの沈黙。
「あの、アスリ、今日、は」
シルクがそこまで言うと、アスリはドクリと心臓が音を立てたのがわかった。
必死に平然を装い、口角を少し上げながらシルクの目を見た。
きっと答えは否だろうとアスリは思っていた。
自分が少し答えを急ぎすぎたことには気が付いていた。
深い悲しみから立ち直ることは時間がかかると。
アスリはわかっていたはずなのに、
シルクの気持ちを急いで引きはがそうとした。
そんな虚しさを紛らわそうと、
少しの希望を持ってシルクに求婚した。
きっとたくさん悩ませただろう。
アスリは心の中でシルクに謝った。