永遠の花ことば*完結*
グーワナ王国とダイオス王国は元々仲が良くなかった。
一応同盟関係ではあったが、
最近はダイオスは他の国への侵略を進めており、
すでにグーワナの、フィルミスクとは反対隣の国の一部を手に入れていた。
「駄目…駄目よ、戦争なんて…!!」
シルクは息をあげていた。
過去の事を思い出し、怖くなっていた。
「ウィリアム様!ダイオスの挑発に乗らないでください!」
シルクはウィリアムの室に行くと、第一声にそう叫んだ。
するとウィリアムは笑顔を浮かべた。
「フィルミスクの女王。
挨拶もなしにどうしたのですか。」
そしてめまいを起こし、倒れそうになったシルクをそっと支えた。
2年前、20でこの国の王となったウィリアム。
アスリとユンリとは、母親が違った。
ウィリアムは優しい性格の2人とは違い、
少し傲慢で自分の力を過信しているところがあった。
そんな王が宣戦をされたらそれに乗らないわけがない。
しかしダイオスは今調子に乗っているだけ。
フィルミスクやグーワナ、スカンなどの周りの国々は静観していた。
しかしグーワナが宣戦されれば事態はまた違う方に動く。
一国の国としても、一人の少女としても、
今グーワナが戦火に包まれるなど、あってはいけない。