永遠の花ことば*完結*
「フィルミスクの女王は私の国の男と恋仲なのだろう?
ならばフィルミスクが協力すれば、その少年を戦争に出すことはしない。
そう言えばきっと彼女は駆け引きに応じてくれるのだろう?」
ウィリアムは同意を求めるように、
口角をあげ、アスリの目を見た。
そのウィリアムの言動に、アスリの中の何かが切れた。
ドンッと目の前にあったウィリアムの机に拳を落とし、
自分の腹違いの兄を睨みつけた。
そしてもう一度ウィリアムの胸倉をつかむと、
「あんた何言ってんだよ!
そんなこと許されると思ってんのかよ!」
アスリはウィリアムを締め上げかねない強さに力を強めた。
しかし弟の憤怒の形相に顔色一つ変えず、
ウィリアムは皿に冷酷な言葉を放った。
「許されるかどうかを決めるのは、
あの甘ったれた女王だ。
未だに男の事が忘れられないんだろう?
話はすぐに終わる。
明日、フィルミスクの王女と話をする。
お前もくるか?」
もうこの人に何を言っても無駄だ。
アスリは悔しくて涙が出そうだった。