永遠の花ことば*完結*
フィルミスクの城門を半ば強引にくぐり、
シルクのもとへと走った。
城内を走っていると、こちらをふりかえる宮女などもいた。
しかしアスリは気にせずに、
いつもシルクのいる仕事部屋をバンと開け放った。
「シルク!?」
まさかもうウィリアムが先に来ていたのか?
頭の中をそんな嫌な予感がよぎった。
そんな考えを頭からぶんぶんと振り払うと、
アスリはゆっくりとシルクの部屋へと向かった。
「シルク…?」
静かに扉の外から尋ねると、
小さな声でかすかに返事が返ってきたのが聞き取れた。
カチャリとシルクの部屋を開けると、
ベッドに寝たままのシルクが見えた。
「あれ、シルク、どうした?」
体調の悪そうな顔色で、
無理に笑顔を作ったシルク。
その彼女のもとにアスリは近づくと、
彼女の手を握った。