永遠の花ことば*完結*
フィルミスク王国の女王として、
あるべき姿で。
「私はこの国の王です。
私の感情一つで国を破滅へと向かわせることはできません。
大丈夫、私はもうあの弱かった姫じゃないわ。
私は私のやり方で、この国を守るわ。」
---…本当はこの子が生まれたらリヴに会わせてあげたい。
シルクはそう思いながら、自分の少し膨らんだお腹を撫でた。
この時、シルクは決めた。
もしも戦争がはじまり、リヴに二度と会えないかもしれないのなら。
子供ができたことを伝え、
自分がどれほどリヴを愛しているのか伝えようと。
「そうか。シルク、忘れるな。
兄様に何を言われても動じちゃダメだ。
俺はいつでもシルクの味方だから。」
アスリはニッと口角をあげ、シルクの頭にくしゃりと手を置いた。
そんなアスリに、シルクはそっと微笑みかけた。
そしてアスリはフィルミスクに来たことが兄にばれないように、
と、急ぎ足で帰って行った。
「リヴ…どうしてこうなっちゃったんだろうね、」
そうぼそりとつぶやき、
シルクはもう一度自分のお腹を撫でた。
そして膨らみにそっと微笑みかけると、
きっと、自分の子と幸せになれる、と信じて目を閉じた。