永遠の花ことば*完結*
「シルクっ、子供…」
リヴはとっさにその言葉を口にした。
するとシルクは伏せ目がちに一度、こくりとうなずいた。
しかしリヴに拒絶されたと思ったシルクはゆっくりと後ろを向き、
扉と反対の方に向かって歩いた。
リヴからは見えなかったが、
その目にはいっぱいの涙がたまっていた。
王になってから、人前で泣かないと決めていたシルク。
そんなシルクも、リヴの事になるとすぐに泣いてしまう。
昔両親の夢を見てよく泣いていた。
でも今は2人とも、見守ってくれていると思うと夢を見ても笑顔でいられた。
そんな風に過去を思い出に変えることができるのなら、
いつかリヴも思い出にして、
自分の子供と2人、幸せになれるだろう。
シルクは目にたまった涙がこぼれないように、
雲ひとつない青空を見上げた。
「行かないで…!」
初めて2人が出会ったとき、
シルクはリヴに駄々をこねた。
その時のような、幼い声がシルクの耳に届いた。