永遠の花ことば*完結*



リヴになら、泣き顔を見られてもいい。

そう思い、シルクはそっとリヴの方を振り向いた。



「ごめん、シルク」



そう言うと同時に、リヴはもう一度、

体温を確かめるようにシルクの体を抱きしめた。


シルクは目を閉じた。

涙の粒は遠慮なく流れ落ち、リヴの服に染みを作った。



「俺の、子?」



リヴはシルクを傷つけたことに対しての罪悪感などが胸に疼いていたが、

自分の子供という期待と嬉しさに頬が少し緩んだ。


そんなリヴの気持ちに気付いたか、

シルクはそっとリヴの胸から顔を離し、

そして涙で濡れている顔で満面の笑みを作った。



「そうよ、私と貴方の子だわ」



目から更に大粒の光をこぼしながら、

シルクはもう一度リヴに抱きついた。



2人とも、さっきの悲しみなど忘れていた。


シルクは自分のお腹に手を添え、リヴと目を合わせて笑った。





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